PROFILE
富士フイルムホールディングス会長・CEO。1939年旧満州国生まれ。63年東京大学卒業、富士写真フイルム入社。2003年6月代表取締役CEO就任。写真フィルムに依存した事業構造を大転換した。
(写真=的野 弘路)

悲観論は何も生まない。日本社会の質の高さにもっと自信を持とう

 2018年は年初から世界の株式市場が活況を呈している。日本経済もおおむね、順調と言っていいだろう。今年は平成30年で来年は元号が変わる。2020年には東京五輪が開催される。少なくともそこまでは投資が続くし、世界中から観光客もたくさんやって来る。

 問題は「五輪後」だといわれる。内需の停滞懸念や少子高齢化、社会保障の問題などを考えると、悲観的な気持ちになるのは分かる。だが、過度な悲観論からは何も生まれない。

 まずは我々日本人自身が日本社会のクオリティーの高さに、もっと自信を持つべきだ。近年、訪日外国人が増えているのは、世界が改めて、日本の良さを再認識している表れである。

 オリンピックは日本社会のクオリティーの高さを改めて世界に示す絶好の機会だ。日本人の親切さ、組織化された勤勉さ、能率の高さ、世界の主要都市と比べてゴミが散乱していることもなく清潔で、安全性も高い。

 公共交通機関は時間に正確で、新幹線に乗れば「三河安城駅を定刻通りに通過しました」なんてアナウンスまで流れる。時速300kmの高速列車を数分おきに走らせているにもかかわらず、定刻通りに運行していることに外国人は度肝を抜かれるそうだ。これは、組織化された社会や、日本人の有能で勤勉な働きぶりから生み出されるものだ。