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PROFILE

ジャーナリスト。1956年生まれ。英エコノミスト誌の元編集長。東京支局長を経験した知日派。『なぜ国家は壊れるのか』(PHP研究所)ではイタリアと日本の類似性などを分析。ドキュメンタリー映画の製作も手掛ける。

(写真=永川 智子)

「米プラットフォーマーは、公平な競争の敵なのか。その答えが未来を形作る」

 グローバリゼーションによって、かつてないほどにビジネスの競争が激しくなっている。この数カ月の出来事や識者らの議論を見ていると、2019年の世界のビジネスでは2つの単語が特に際立っているように感じる。それは「競争と技術」だ。だがこの2つの単語は、とりわけ米国では互いに相反する関係にすら見える。中国やインドなど新興国の成長企業だけでなく、先進国の新興企業も大きく成長しているが、市場は、より限られたプレーヤーに支配されつつあるからだ。

 米国と欧州では、企業の歴史にかかわらず、M&A(合併・買収)によって競合企業がのみ込まれ、多くの分野で企業間競争が少なくなっている。技術イノベーションにより、市場の仕組みや商習慣を崩壊させたような時にのみ競争が生じる。

 情報通信分野が2つのトレンドを象徴する分かりやすい事例だ。1990年代から2000年代にかけて旧来の通信市場は崩壊させられ、競争が激化した。だが今では世界中で、わずかな巨大企業により通信市場が統合されてしまった。