
「生産性向上を妨げるのは低価格原理主義だ。企業は価値向上の努力を」
昨年11月に発足した第4次安倍晋三内閣には改めて生産性向上の実現を期待したい。日本の1人当たりの生産性は、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国中20位だ。米国と比較すると製造業で約7割、サービス産業は約5割の水準にとどまる。生産性は生み出した付加価値を人数や時間などの労働力で割って算出する。生産性向上というと、効率を高めることに意識が向きがちだが、分子の付加価値を高めることによっても生産性は向上する。その方が潜在的な可能性はむしろ大きい。
付加価値を高めることに逆行するのが極端な価格競争だ。米国では価格競争のことを「カット・スロート・コンペティション」と呼ぶ。カット・スロートとは「喉をかき切る」という意味で、できるだけ避けるべきと考えられている。日本では価格は安ければ安いほど消費者のためになり、経済のためにもなるという「低価格原理主義」が根強く、商品の価格をどんどん下げていく企業が多い。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り908文字 / 全文文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「賢人の警鐘」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?