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 しかし、この1年間で買収していた企業は、収益に貢献するまでに至りませんでした。立て直しがうまくいかない理由として、私やRIZAPグループの組織が管理できるキャパシティーを超えているのではとのご指摘を受けることもあります。グループ会社はここ2年で25社増え、全体で85社、社員数は7000人を超えるまでになっています。

 経営の速度を上げた結果だったのですが、車と同じで、あまりに速いスピードで走るとうまくいかないのかもしれません。結果がすべてであり業績は見ての通りなので言い訳せず、今後は、経営者としての技術を磨きなおします。いったん立ち止まって現状のグループ企業の立て直しに専念します。

 再建策としては、RIZAPを中心にグループ各社が連携し、お客様が本当に必要とする顧客価値を提供する、全く新しい商品・サービスやビジネスモデルを生み出そうと考えています。

 一方、ワンダーに関しては、立て直すにしても、斜陽のレンタルやCD販売は限界があるとのご指摘もあります。おっしゃる通りですが、実はワンダーは「事業」を生かすだけでなく、「機能」を生かすための買収でもあります。ワンダーは好立地の店舗や物流の優れた仕組みを持っています。これをRIZAPグループに取り込むことが主眼です。

 実際に、ワンダーの店舗を改修して、RIZAPのボディーメークやジーンズメイトの店舗、HAPiNSという雑貨店を組み合わせた店舗を増やしています。

 RIZAPグループの成長ストーリーは続いています。松本さんとは厳しく意見を言い合っていますが、関係は良好です。改革の全体を見ていただき、私が実行する形になります。これが一番いい形だと思っています。

(写真=竹井 俊晴)
[RIZAPグループ社長]
瀬戸 健氏

1978年福岡県生まれ。明治大学中退後、2003年ダイエット用豆乳クッキーを販売する健康コーポレーションを設立。10年パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を開始。16年から現社名に変更し、ジーンズメイトなど、積極的な買収で85社7000人のグループ会社に成長させた。

SUMMARY

RIZAPグループ不振の概要

2018年4~9月決算で前年同期比138億円減の88億円の営業赤字。年間の業績見通しも33億円の営業赤字と263億円下方修正した。原因はここ1年ほどで買収した企業の業績不振。成長イメージの強い同社だけに、市場は業績に対して敏感に反応。約500円の株価は半減した。同社は新規のM&Aを凍結し、グループ企業の立て直しに注力する。

日経ビジネス2018年12月24日・31日号 100~101ページより目次