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買収した子会社の業績がさえず、RIZAPグループが下方修正を余儀なくされた。急激なM&Aや、それに伴う「負ののれん」へも厳しい指摘が相次ぐ。瀬戸社長は「結果で証明する」と、グループ企業の収益回復を誓う。

 RIZAPグループは2018年11月14日、決算発表の場で、通期の業績予想を引き下げました。当初の230億円の営業利益から33億円の営業赤字へ下方修正する見通しとなりました。発表後、株価は大きく下がりました。期待して当社の株式を保有してくださっている皆様に、多大なるご迷惑をおかけしたことを心からおわびいたします。

 決算発表後は投資家の方々に、会社としての今回の経緯や詳細な説明をして回っていました。並行してワンダーコーポレーションなど子会社を1日1社、さらにその店舗2、3店に足を運んで聞き取りをしたり、店舗の方々が不安に思っていることに答えたりしています。30店舗ほど回りました。

 ボディーメークや英語などRIZAPそのものの事業は好調ですが、業績が芳しくないグループ各社の業績を立て直し、1日も早くご迷惑をおかけした皆様に報いたい考えです。時系列で今回の下方修正に至る経緯、さらにはどう立て直していくのかをお話しします。

きっかけは松本氏の招聘

 現在の経営のやり方を考え直すきっかけになったのは、6月にCOO(最高執行責任者)として松本晃さんを迎え入れたことです。情報共有が必要ということで、8~10月にかけてグループ内の企業を業績の悪い順番に訪問してもらいました。各担当者にも、悪い情報も隠さずに松本さんに上げるように指示しました。8月末以降は、状況の悪い企業を中心に、週次単位で細かく業績を見てもらうようにしました。

 その後、松本さんがRIZAPグループの取締役会でM&A(合併・買収)に反対票を投じるようになりました。

 正直、反対意見を表明されたときは驚きました。松本さんの反対は止まらず、9月以降はM&Aの全面凍結をすべきだと言われるようになりました。

 当初は、「中止は無理だ」と言いました。M&Aが正しい正しくないは各人の考えがありますが、業績予想の数字も大きく変わってしまいます。数字は上場企業の責任者として、達成しなければいけないと思っていました。

 松本さんは言葉は厳しいですが、まるで親のように接して「立ち止まるべきだ」と意見をくださいました。その意見に耳を傾け、立ち止まって考えました。経営者として短期的な目標を達成することは重要です。が、それと同じくらい、中長期で会社にとって何がいいのかを考えることも重要です。

日経ビジネス2018年12月24日・31日号 100~101ページより目次