東京電力の柏崎刈羽原子力発電所を抱える、新潟県柏崎市の市長選。原発の再稼働について「条件付き容認」の立場の元市議、桜井雅浩氏が勝利した。再稼働反対を掲げて戦った竹内英子氏だが、「原発城下町」の難しさを実感した。
再稼働反対の声 十分にくみきれず

今回の選挙戦では皆さんの大切な思いを背負ってきましたが、相手候補に届かず申し訳なく思っています。それでも、私は1万6000人以上の市民の方々の「原発は再稼働させたくない」という思い、「弱い立場の人を救ってほしい」という思いを頂いたと考えています。負けてしまいましたが、選挙活動中に握手をした方々、その声の重みは決して無視していい数ではありません。
(編集部注:市長選は桜井氏の得票数が3万220票、竹内氏が1万6459票だった)
私は22年間、柏崎市役所で保健師として働き、一人ひとりの市民の方と向き合ってきました。2014年度には保健師として福島県に派遣され、東京電力福島第1原子力発電所の事故で避難された方々のケアに従事する経験をしました。
避難生活の大変さはもちろん言うまでもありません。より私が深刻だと分かったのは、そうした生活を続けていくなかで、被災者の方々の心が硬くなってしまい、安全でない状況が当たり前のようになってしまうということです。そのなかで、命を守るために政治が機能していないのではないかという気持ちを強く持つようになりました。
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