家庭用マッチ最大手の兼松サステックが、マッチ事業から撤退する。およそ20年前から赤字だったが、消費者の声に応えて生産を続けてきた。だが工場の製造装置が寿命を迎え、ついに来年3月末に製造販売を終える。

[兼松サステック社長] 高崎實氏
(写真=古立 康三)
1974年に埼玉大学理工学部を卒業後、同年4月に兼松江商に入社。北京や台北、ベトナムで経験を積み、兼松サステックでは業務改革室長や木材・住建事業部統轄兼特販部長などを経て、2009年6月に社長に就任した。
家庭用マッチ、事業撤退の概要
家庭用マッチのシェア4割を占める兼松サステック。国内最大手の同社が、来年3月末でマッチ事業から撤退することを発表した。同社の唯一のマッチ製造工場である淡路工場にある製造機器が、昨年末から深刻な不調に陥り、安定的に製造を続けられなくなったためだ。桃やゾウ、ツバメのデザインの主力製品の商標は日東社に譲渡する。
兼松サステックの代表的なマッチのパッケージ(写真=古立 康三)

 我々兼松サステックは、家庭用マッチで国内シェア4割を保有する国内最大手です。けれど2017年3月末に、マッチの製造販売事業から撤退することを、今年9月下旬に発表しました。

 発表後は大きな反響がありました。皆さん、マッチに一種の郷愁を抱くのでしょうか。当社のマッチ事業撤退を惜しむ声もたくさん頂きました。

 なぜ国内最大手の当社が、マッチ事業から撤退するのか。当社の歴史もふまえて説明したいと思います。