女子レスリングで五輪4連覇中の伊調馨選手へのパワハラで4月、強化責任者を退任した。「チームの和を乱す行動を注意した」というが、選手とのコミュニケーション不足は否めなかった。今年1月にパワハラ騒動が起こって以来、栄氏が初めて単独取材に応じ、あふれる思いを語った。

[日本レスリング協会前強化本部長]
栄 和人氏

1960年鹿児島県奄美市生まれ。選手では88年ソウル五輪に出場。女子コーチに転じ、指導者の頭角を現した。至学館大学の監督などとして五輪メダリストを8人育成。2008年から日本代表女子、15年から日本代表男女の強化責任者を務めた。

SUMMARY

選手へのパワハラ騒動の概要

1月、「栄氏の伊調馨選手へのパワハラがあった」とする告発状が内閣府公益認定等委員会に提出された。栄氏と日本レスリング協会は否定したが、第三者委員会での調査の結果、一部でパワハラが認定された。栄氏は4月に強化本部長を辞任。8月には至学館大学からも去った。ただ、告発状に虚偽の内容があったとして、名誉毀損で田南部力氏を訴えた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2464文字 / 全文2928文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「敗軍の将、兵を語る」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。