450年の伝統がある広島県三次市の鵜飼いが開催中止の危機に陥った。25羽いた鵜飼いの鵜のうち14羽が相次いで病死したためだ。急きょ取り寄せた若い10羽の鵜を使い、鵜飼いの開催に間に合わせた。


広島県三次市の鵜飼いは450年もの歴史があるもので、戦国時代から続く伝統があります。毎年6月から9月まで三次市内の馬洗川で行われており、鵜匠と呼ばれる人が船の上から手綱でつながれた鵜を操って、川にいる鮎をとる様子を遊覧船の上から観光客の方に見て楽しんでいただいています。
三次市の鵜飼いは歴史や伝統から見ても地域で一番の観光資源だと考えています。当然鵜がいないと成り立たないわけですが、25羽いた鵜が2016年の初めから14羽も死んでしまいました。具体的には1月に6羽、2月に6羽、3月に2羽の合計14羽が相次いで死んでしまいました。鵜飼いを楽しみにしてくださっている方にご心配をおかけしてしまいました。

三次市の鵜飼いは毎年2羽ほどの鵜を新たに購入していますが、これは老衰で死んだ鵜の入れ替わりのためです。今回のようにこれだけ大量に死ぬことは過去もありませんでした。
1月に鵜匠から鵜が次々と死んだと聞いて、大変驚きました。私は野生の動物の専門家ではありませんが、原因として考えたのが鵜の飼育場の整備工事でした。整備工事には下地のコンクリートを新しいものに変える工事が含まれていました。その工事の過程で古いコンクリートを削岩機のようなもので壊していく作業がありました。鵜はとても繊細な生き物ですので、工事の音や振動が鵜にストレスを与えたのではないか、それが死んだ原因なのではと思いました。しかし工事の後も鵜が死んでいく中、それは原因ではなさそうだという話になりました。その後、獣医の方と話し合った中で出たのは鳥インフルエンザの可能性でした。
すぐさま広島県の専門部署に死んだ鵜を検査してもらったのですが、鳥インフルエンザではありませんでした。それ自体はよかったのですが、原因がなかなか判明しないことに戸惑いました。
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