成長とともに問題も顕在化

 一方で、資金調達の面でも2011年7月には1億円規模で最初の資金調達に踏み切りました。これだけの短期間での大型調達については、自分たちは忙し過ぎて気付いていませんでしたが、周りからは「異常事態」と言われるくらい異例なことだったようです。

 実は、その少し前に米国発の「Instagram(インスタグラム)」がサービスを開始し、それこそ我々の比ではないくらいに急速にユーザーを増やしていました。モバイルでの写真SNSというサービス全体への期待値が非常に高まった時期で、そうした環境が順調な立ち上がりの追い風となった部分も大きかったですね。

 その後、足踏みの時期も一時経験しつつもユーザー数は伸びていきました。毎週のようにアプリもアップデートし、日々ユーザーが写真をアップしてくれるのも大きなモチベーションになりました。成長へのプレッシャーも大きかったですが、充実していましたね。

 ただ、成長の一方、経営やファイナンスの面、投資家との関係といった部分では2013年に入った頃から問題が顕在化していったのも事実です。

 創業者2人、さらにVCも深く関わる中で、サービス運営や経営に関して意見の対立が起きました。人間関係の難しさや感情的なしこりも出てくる。そうした内部の矛盾を解決する時間をかけられないまま資金調達を進める上で、我々の人間的な未熟さもあったのですが、VCも含め経営チームが十分な意思疎通を図れませんでした。

 マネタイズに関しても、有料課金や広告など何度かチャレンジはしていたのですが、目に見える成果を十分に上げることができませんでした。

 スナッピーは海外に多くのユーザーを持つ一方、国を越えた広告ビジネスがやりにくいなどのデメリットもあった。活路を開くため、2014年7月には講談社とコンテンツ配信で提携するなど、外部連携も積極化していきました。勝算はあると思っていましたが、2015年以降はかなり厳しい状況に追い込まれていきました。

 2015年以降の失速に関しては外的要因・内的要因の両方があります。外的要因は競合のインスタグラムのアジアでの伸長。特に東南アジアなど勝負できると考えていたエリアで、ユーザーを奪われていきました。結果的には、インスタグラムの圧倒的な勝利ですね。

 内的要因についてはサービス開発の遅れや失敗です。米アップルの「iOS」向けの開発環境に対応できず、マーケティングの戦略などにも悪影響が出てしまった。開発チームの人的手当ても含め、これに関しては私の責任は大きかったと思っています。

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