ウナギ販売業者が不正競争防止法違反の罪で略式起訴された。一部中国産を扱っているにもかかわらず、国産ののぼりを掲げたためという。反省する一方で、保健所の告発や警察の捜査方法に異議も申し立てる。

[インテグレート代表取締役]

村井三雄氏


1969年福井県生まれ。建材を扱う専門商社で木材などの輸入に携わる。その後2009年に独立し、インテグレートを設立。その後商材を建材から海産物に替え、主にウナギの卸売りおよび店舗運営を行っている。

ウナギ産地問題の概要
ウナギ販売業者インテグレートの経営者村井氏が不正競争防止法違反の罪で略式起訴された。福井県の店舗で一部中国産ウナギを使っているのに、国産ののぼりを掲げたためという。結局農薬検出による告発は不起訴、産地偽装による詐欺罪でも立件されていないなど、警察の強引な捜査への疑問の声も上がっている。

 福井県で経営していた飲食店で中国産のウナギであることを告げずに提供していたとして、不正競争防止法違反の罪で略式起訴され、7月18日に罰金50万円の略式命令を受けました。このことは真摯に受け止めて反省しているところです。ただ今回の件の経緯が正確に報道されていないことや、ウナギの産地の現状に関して正しい情報が伝わっていないところは納得がいきません。どのような経緯だったのかお話ししたいと思います。

 きっかけになったのは2016年12月、中国から輸入した生きたウナギから基準値を超える微量の農薬「ペンディメタリン」が検出された、と言われたことでした。これは畑や田んぼで使う農薬なので、ウナギの養殖の過程でではなく、おそらくウナギを養殖している池に河川から水を引き入れた時に混入したのだと思います。通関してから2週間もたってから連絡がきて、「薬品が入ったものを流通させることは食品衛生法違反になるので回収しろ」と言われました。

 ただ、通関しているのは国だし、こちらは中国で事前に決められた検査を経て輸入しています。それで責任を問われるのは納得がいかないので、どうしてなのか説明を名古屋の保健所に求めていました。当然並行して回収はしていましたし、どこに出荷したウナギがどれだけ回収できたかのリストを出すことを12月28日に約束し、翌日の29日に保健所に提出するところでした。

 それが、提出直前の28日に保健所が警察に食品衛生法違反で告発したのです。そもそも29日にリストを持っていくと協力していたのにです。29日はオフィスや自宅に家宅捜索が入りました。残っていた輸入ウナギも回収され、農薬が検出されるか検査されました。

 しかし農薬は検出されませんでした。もともと基準値0.3PPM(PPMは100万分の1)に対して最初に検出されたのが0.4PPMと微量だったことや、ペンディメタリンは代謝されてウナギから時間がたつと抜けるので、不思議なことではないとのこと。

警察が“別の罪”を探した!?

 警察は保健所からの告発を受けて動いたものの、何も検出されないので立件できない。実際にこの食品衛生法違反は不起訴になっています。

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