基幹システムなどに不正アクセスを繰り返し受け、21万件もの情報が漏洩していた事件が6月に発覚。教育分野での情報通信技術活用で知られていた佐賀県だが、セキュリティー対策の難しさが露呈した。再発防止に向け第三者委員会を設置するなど、問題点の洗い出しと対策作りを急いでいる。

[佐賀県教育委員会教育長] 古谷 宏氏
(写真=諸石 信)
1955年生まれ。78年九州大学法学部卒業、佐賀県庁入庁。経営支援本部職員課長などを経て、2006年教育委員会事務局副教育長、2010年くらし環境本部長。2015年5月から現職。任期は2018年5月まで。
不正アクセス事件の概要
警視庁は6月27日に佐賀市に住む17歳の少年を不正アクセス禁止法違反容疑で再逮捕した。狙われたのは佐賀県教育委員会が2013年4月から運用していた基幹システム「SEI-Net」などで、県立高などの生徒の名前や住所、成績などが流出。少年の自宅サーバーなどにあった約21万件のファイルのうち、生徒らの個人情報は約1万4000人分に上った。

 不正アクセスの事件については、今年2月に警視庁から「かなり多くの情報が抜き取られている」という情報提供があり、教育委員会としてはこれにより初めて状況を把握しました。その時点ではまだ、被疑者に関する捜査を進めている段階で、警視庁からは絶対に犯人に気づかれない形で協力してもらいたいとの要請を受けました。

 その後、警察に協力しながら被害の拡大を防ぐという対応をしてきました。警視庁からはセキュリティーに関する助言ももらい、パスワードの変更など可能な範囲で対策も取っていました。その後、警視庁が本件事案を公表した6月27日に合わせて、我々も被害の内容について発表しました。