仮想通貨と現金を交換するサービスを提供してきたが、このほど事業を廃止した。 当局の審査が厳格化し、人材確保を含めた登録要件を満たすのが困難になったためだ。 今後は中国の仮想通貨市場での起業を模索する。

[ビットエクスプレス代表]
泉 秀樹氏

1957年沖縄県生まれ。90年ごろにビットエクスプレスの前身となるコンピューターグラフィック製作会社「株)IHM 」設立。不動産や通信事業などを手掛け、2014年ごろから仮想通貨の交換業を始める。16年にビットエクスプレスに社名を変更。

SUMMARY

仮想通貨交換業廃止の概要

那覇市で主に外国人向けに仮想通貨と現金を交換するサービスを開始。2017年4月施行の改正資金決済法により同事業が登録制になった後も「みなし業者」として事業の存続を認められてきた。その間、正式業者への登録も申請し、手続きを進めていたが、仮想通貨巨額流出事件を機に登録審査が厳格化。申請を取り下げ、事業を廃止した。

 那覇市で仮想通貨と現金の交換業を手掛けていましたが、2018年4月24日に事業を廃止しました。これまで当社を利用していただいていたお客さまには、突然サービスをやめることになり、申し訳ないと思っています。金融庁との話し合いが難航し、悩んだ末に出した結論でした。

 当社が仮想通貨交換業を始めたのは、14年ごろからです。事業を始めたきっかけは、当社が運営する飲食店を訪れた中国人観光客の方から「(飲食代金を)仮想通貨で支払えないか」と言われたことでした。

 沖縄県には中国の方が大勢訪れていて、「ビットコインの両替はできますか」という言葉も、よく耳にしていました。そこで個人的に始めてみました。すると想定以上にニーズがあり、商売として成立するのではないかと思いました。そこで、訪日外国人が数多く訪れる那覇市のドン・キホーテに店を構えることにしました。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2210文字 / 全文3271文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「敗軍の将、兵を語る」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。