アベノミクスを批判し、憲法改正阻止を訴えた野党は大敗。自公政権は参院で過半数の、改憲勢力は3分の2の議席を確保した。野党共闘で現職大臣が敗れる波乱もあったが、効果は限定的だった。

(写真=柚木 裕司)
岡田 克也氏
[民進党代表]

大量13議席失う
次期代表選は白紙

大敗した3年前よりは当選数を増やしたものの、改選議席を大きく減らし大敗。民進党と改名して臨んだ参院選だが、イメージ刷新までには至らなかった。

 改憲勢力が参院の3分の2以上、自民公明の与党が改選過半数を占めるのを阻止できなかったことは残念です。

 民進党自体も改選議席45を32に減らす結果となりました。3年前の参院選では17人しか当選できず、1人区ではゼロでした。今回、1人区は、(共産党も含めた)野党で共闘し、複数の候補が出ないように絞りました。その結果、3年前と比べると、議席はかなり増えてはいます。ですが、我々の訴える力が弱かったのかもしれません。

 もちろん、この結果は受け入れざるを得ません。しかし、この選挙では正々堂々とした論戦が行われたのでしょうか。とりわけ憲法について、安倍晋三首相は改憲しようとしながら、「改憲は争点ではない」として選挙戦では何も語ろうとしませんでした。争点から逃げ、我々とは議論がかみ合わないままにしたのです。

 (我々の政権時代は)選挙では最後の1週間で党首が議論するのが通例でした。しかし、安倍首相とは選挙戦で党首討論もできませんでした。我々の口を封じたと言わざるを得ません。

 憲法に関して言えば、国会での5月の党首討論で安倍首相は、その平和主義の意味を「侵略戦争をしないことだ」と規定しました。これは驚くべき発言です。憲法の平和主義とは専守防衛であり、海外で武力行使をしないということです。それを変えているのです。

代表選以降の続投は白紙

 国民の関心事である社会保障について、(自公と民進党=旧民主党による3党合意では)消費税の10%への引き上げ時に「低年金者への給付」や「低所得者の介護保険料の軽減」などを実施するとしていました。ところが、自民党は消費税引き上げを延期し、これも先送りにしました。

 我々は、安倍政権になって増えた公共事業を民主党時代並みに減らしたり、防衛費を落としたりするなど、様々な対策を講じて財源を作ってでも消費税引き上げは実施すべきだと訴えました。その上で、どうしても足りなければ赤字国債の発行もやむを得ないと主張。必要な社会保障の充実のためです。

 ところが、安倍首相は「赤字国債を発行する」というところだけを取り出して民進党は無責任だとレッテルを貼ったのです。アベノミクスが失敗し、そのツケを国民に回したのは自分たちなのに、です。

 私自身は今年9月の代表選までの任期はしっかり務めるつもりです。その後どうするかは現時点では白紙です。ただ、民進党は地方議員の数が減り、地方組織には弱っているところが出ており、補強しなければいけない。もちろん、今後始まる改憲への動きにも対峙していかなければなりません。

 今回の選挙では若者など、今まであまり政治に関わってこなかった人たちが支援してくださるようになりました。野党共闘もそんな市民の働きかけがあってできたものです。政治の新しい流れはできつつあると感じています。

自公政権に過半数の議席を確保され、全体的には大きく議席を落とした野党。だが、自民党も一部の選挙区では野党統一候補に対し、苦戦を強いられた。沖縄と福島では現役大臣が落選する波乱もあった。