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検査工程の不正が発覚した、コスモエネルギーホールディングス傘下の丸善石油化学。 工数不足が常態化し、検査員が自己の判断で検査を省くなどしていた。 鍋島勝社長は「現場の声を拾い上げることができなかった」と反省の弁を述べる。

[丸善石油化学社長]
鍋島 勝氏

1958年生まれ。富山大学大学院工学研究科を修了後、丸善石油(現コスモ石油)に。87年、同社から分離した丸善石油化学に転籍。2009年より執行役員、12年に取締役。16年には代表取締役専務に就任。17年6月より現職。

SUMMARY

丸善石油品質不正の概要

今年2月、コスモエネルギーホールディングス子会社の丸善石油化学で、検査工程の不正が発覚。プロピレンやトルエンなど24種類の化学製品について、所定の検査を勝手に省いたり、検査結果を偽造していたことが判明した。不正が見つかった製品は同社の出荷量の3割程度にまで相当し、問題製品の出荷先は130社に上った。

 当社の商流は上流に位置しているため、サプライチェーンが非常に長くなっています。直接・間接を問わず、多くの企業に対し、当社の製品の影響への懸念を抱かせてしまう結果となってしまい、大変申し訳ないと考えております。当社事業が社会全体に与える影響度を改めて自覚し、関係する全ての方々の信頼を取り戻すべく、全社一丸で再発防止策に取り組んでいます。

 当社はコスモエネルギーホールディングス傘下にあるコスモ石油の前身の一つ、丸善石油から石油化学部門が分離・独立し、1959年に誕生しました。コスモ石油との資本的なつながりは独立後も続き、2016年にはコスモHDの連結子会社となりました。ただ、コスモHDは今年1月まで不正について認識することはありませんでした。