創業80年を超える滋賀県の老舗企業で起こったお家騒動。 おいっ子に追い出された元会長は3年以上の抗争を経て、競合会社を立ち上げた。 無念さをにじませるが「切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」とも語る、複雑な心境とは。

[黒田紙業元会長、北斗グリーン社長]
黒田忠男氏

1939年生まれ。66年に黒田紙業に入社し、75年に専務、88年に社長、2004年に会長に就任。14年に退任するまでに、5つの営業所を持つ古紙問屋に成長させた。17年4月に北斗グリーンを設立し、18年春から事業を再開した。

SUMMARY

会社の経営を巡る衝突の概要

会社の株式の5割超を持つ4代目社長が、3代目社長だった会長(当時)を経営から追い出した。その後、元会長側は復権を目指して、2018年にかけて民事・刑事で訴訟を実施。株式の勝手な名義書き換えの是非、土地所有権の取引書類の信ぴょう性などを争った。今年3月に裁判は終了。元会長は滋賀県内に同じ業務を担う企業を立ち上げた。

 黒田紙業は関西ではそれなりに名の知れた古紙リサイクルの会社です。1933年創業で、私は3代目の社長・会長として経営してきました。4年前、4代目社長に突如、会社を追い出されました。その後、社長による勝手な株式名義の書き換えなどを訴えてきましたが、復帰はかないませんでした。昔の仲間と新たな会社を興し、今春から事業を始めています。関係者にはご迷惑をおかけしました。情けないと同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 親父が初代社長で、2代目社長は兄でした。4代目の現社長は兄の息子、私にとってはおいっ子に当たります。私は1988年の社長就任時から、2人いた弟には「会社を大きくして本家に返すんだ」と言っていました。2004年、社長の座を譲り、私は会長に就きました。