パチンコホール大手のべラジオコーポレーションにサクラ疑惑がふりかかった。店長が金銭目的で私的に行ったものとみられるが、ネット炎上や銀行の融資一時停止など大きな影響があった。該当者への刑事告訴を検討するほか、再発防止に向けた取り組みを始めた。

[ベラジオコーポレーション社長]吉田拓明氏
1976年生まれ。福井県出身。2008年2月に大阪府を中心に21店舗のパチンコホールを運営するべラジオコーポレーションに入社。10年10月に常務取締役に就任。その後、12年に専務取締役に昇任し、16年4月から現職。
べラジオ「サクラ」疑惑の概要
パチンコホールを運営するべラジオコーポレーションはべラジオ横堤店の店長を懲戒解雇した。当たりやすいスロットマシンの台情報を外部に漏洩し、その台を打った人が得た利益を折半した疑いが強まったためだ。きっかけは外部からの通報だったが、同様の情報がネット上で公開・拡散されたことで「サクラ」疑惑があるとして炎上した。
<b>パチンコホール内や駐車場に設置している監視カメラのデータからサクラを疑われる人物を絞り込んだ。その人物が遊技したのは、店長が「故障台」などの張り紙でほかの人が遊技できないようにしていた台だった</b>(写真=時事)
パチンコホール内や駐車場に設置している監視カメラのデータからサクラを疑われる人物を絞り込んだ。その人物が遊技したのは、店長が「故障台」などの張り紙でほかの人が遊技できないようにしていた台だった(写真=時事)

 パチンコホールにあるスロットマシンには、メダルの出やすさを何段階かに変えられる「設定」という機能があります。当社の元従業員で店長を務めていた人物が、スロットマシンの設定を出やすく変更したうえで、その情報を外部に漏洩した疑いがありました。

 本人は認めておりませんが、懲戒解雇処分にし、刑事告訴も検討しているところです。このような行為は到底許されるものではありません。当社の管理が行き届いておらず、今回の件を起こしてしまい、お客様や関係者に多大なご迷惑やご心配をおかけしたことを深くおわびいたします。

 この件でパチンコホールに対するイメージが悪くなることは本意ではありませんし、経営者としての責任がありますので、今後の対策を含めて何があったのかをお話ししたいと思います。

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