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高知県においてウナギの稚魚であるシラスウナギが極端な不漁に陥っている。 2月末時点で前年同期比で6.8%しか採捕できておらず、採捕期間を延長する措置に打って出た。 それでも前年の半分にも到達せず、密漁者の存在もあって、地域の関連産業全体が苦境に陥っている。

[元高知県漁業管理課課長]
西山 勝氏

1965年兵庫県生まれ。2018年3月まで漁業管理課課長を務め、4月から水産政策課長。高知県は有数のシラスウナギの採捕地であり、養鰻業が盛んな土地でもある。漁業管理課は採捕の許認可に加え、密漁者の取り締まりも手掛ける。

SUMMARY

高知県ウナギ稚魚不漁の概要

高知県において地元の名産であるウナギの稚魚、シラスウナギが極端な不漁に陥っている。ウナギ自体の個体数が減少していることに加え、黒潮の大蛇行が起こるなどシラスウナギが川を遡上しづらい状況が重なった。県内の漁業や養鰻関係者への生活面での影響を考えて採捕期間を例年より15日間延長したが、前年の半数以下しか取れなかった。

 高知県は全国的にも有数のウナギの稚魚、シラスウナギの採捕地です。その結果、ウナギを養殖する養鰻も盛んで、県内経済で重要な位置を占めています。そんなシラスウナギが今年、異常とも言える不漁に陥りました。

 当然相場は高騰しています。シラスウナギは1kg20万~30万円ほどで長く推移していましたが、今シーズンは1kg250万円になっています。日本の最大の消費時期である土用の丑の日に養殖ウナギを間に合わせるためなのか、あるところでは400万~500万円ほどで取引されているようです。簡単に言えば、数cmのシラスウナギ1匹が500円という計算になります。

シラスウナギ不漁で価格が高騰し、ウナギは庶民にとって本当に「高根の花」になりつつある(写真=時事通信フォト)