3月に関東運輸局からバス事業者としての事業許可取り消しを命じられた。 いくつかの違反に対する一定期間のバス運行停止の指示に従わなかったことがその理由。 背景にはインバウンド需要という致し方ない状況があるが、行政処分の手続きへの不満もにじむ。

[藤田観光バス代表取締役]
藤田伸治氏

1962年福島県生まれ。バス運転手を経て、2000年に藤田観光バスを設立。17年の青森県の外国人宿泊数は4年前の6倍に達し、東北1位。宮城県や岩手県でもインバウンド需要は旺盛で、東北全体で観光バスが不足している。

SUMMARY

バス事業許可取り消しの概要

藤田観光バスは2018年3月、関東運輸局から貸し切りバス事業者(一般貸切旅客自動車運送事業者)としての事業許可の取り消しを命じられた。運行指示書や乗務記録の書類不備などいくつかの違反による「190日間の運行停止」の指示に従わず、観光バスの運行を続けたためだった。だが、その背景には活況のインバウンド需要など複雑な事情があった。

 私たちは本社のある福島県や栃木県那須町の拠点で観光バスやスクールバスを運行する事業を営んでいます。その主要事業である観光バス事業が、2018年3月12日から運営できなくなりました。国土交通省関東運輸局から貸し切りバス事業者としての事業許可の取り消し処分を受けたためです。

 その結果、取引先である大手旅行会社や、その会社を通じて旅行を申し込まれていた方に観光バスによる運送サービスを提供できなくなり、大変大きなご迷惑をおかけしました。深くおわび申し上げます。

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