有権者の「悲鳴」を痛感

 投票率の下落というのも大きな課題だと捉えています。やはり、県政のあり方や中身というものが、有権者には見えにくい状況にあるのではないでし ょうか。だからこそ、選挙戦ではその実態を徹底して皆様には伝えてきたのですが、残念な結果となりました。

 17日間という選挙期間、県民に寄り添う、54市町村に寄り添うという約束をし、まず全ての市町村を回ることから選挙戦をスタートさせました。ビジ ネスホテルに泊まりながら、あちこちで数十人の小規模な集会を開かせていただきました。銚子、房総半島などなど、広い千葉県を駆け巡りました。

 集会や街頭で本当にたくさんの声を聞きましたが、そのほとんどが悲鳴です。一番こたえたのは、「長い人生の中で、知事候補がこの町に入ったのは初 めてだ」という声です。行ってお話をしただけで、涙を流してもらえる。そうした自治体がたくさんあるのです。知れば知るほど、私たちの千葉県を何と かしなくてはならないという思いは強くなっていきました。

 例えば観光。観光客が激減しているエリアが増えています。東京湾アクアラインができ、恩恵を受けている周辺の市町村はある。ただ、アクアラインが通り房総半島が日帰りコースになってしまったことで、宿泊客が減ってしまった地域も少なくありません。一方で、市川市、船橋市などで慢性化している渋滞も大きな課題です。

 千葉県は本当に魅力あふれる場所です。人情味のある方々は多く、温暖な気候、風光明媚な様々な観光資源。そうした財産を活用しなくてはならない。千葉県の素晴らしさをもう一度しっかり取り戻さなくてはなりません。

 例えば産業。工業地帯を抱えている市原市では、せっかく目の前に国内屈指のコンビナートがあるにもかかわらず、地元の方からは、「地元の雇用枠はこれっぽっちもない」という話をされました。あれだけのコンビナートがありながら、就職先に困っている若者が多いのが現状です。

 農業や水産業も大きな問題を抱えています。伝統的な農業高校や水産高校はなくなってしまい、後継者問題に頭を悩ませている業者さんも多いのです。

 こうした数々の問題に関して、千葉県は全く手をつけてこなかった。やるべきことは山ほどあるのに、放置してきたのが特にこの8年間。私は「失われた8年間」だったと考えています。元に戻すだけでも大変なことです。

 今回の選挙では、政党の消極的な姿勢も目立ちました。ある政党は森田健作氏について、現職の知事ながら「大きな失政がないから評価する」といった趣旨の話をしています。