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議会の反対を受け、バイオマスを活用した熱電併給事業計画を断念した。背景には、地元の既存エネルギー業者などへの影響を心配した議員の変心がある。長年検討してきた計画が白紙となったが、地域にバイオマス施設が必要との思いは揺らがない。

[北海道下川町町長]
谷 一之氏

1955年生まれ。北海道出身。日本大学卒業後、谷組入社。95年に下川町議会議員に当選。2015年から現職。下川町は林業が盛んな地域で、その特性を生かし、伐採・製材の過程で発生した廃材を活用した熱供給施設を運用している。

SUMMARY

下川町・熱電事業頓挫の概要

北海道下川町が、2018年度の着工を目指していた、三井物産と共同での「森林バイオマス熱電併給事業計画」を断念した。発電時に発生する熱を利用し町内の暖房や給湯をまかなう計画だった。町議会の委員会も賛成を表明。計画は順調に見えたが、17年7月の臨時町議会本会議で委員会採決が覆る異例の事態に陥っていた。

 三井物産と共同で、町内に熱電併給施設を建設する計画を進めていました。木材を使って発電しながら、発生した熱も利用し暖房や給湯に生かす「コージェネレーション」と呼ばれる施設です。しかし、町議会の反対によって、計画が可決されませんでした。国への補助金の申請も間に合わず、何より三井物産を待たせてしまいます。このため計画をいったん白紙に戻しました。

 事業を共同で進める予定だった三井物産や、施設の稼働を期待してくださっていた町民の皆様にはご迷惑をおかけしました。あらためておわび申し上げます。

 なぜ今、コージェネレーション施設を作ろうとしたのか、なぜ計画が頓挫してしまったのか、順を追って説明します。