誰かの支えになろうとする人こそ 一番支えを必要としている

 あなたは、どのように人生の最期を迎えたいでしょうか。団塊世代の高齢化に伴い、日本は多死の時代を迎えて、現在8割を占める病院での看取りでは足りなくなります。そこで、在宅での介護と看取りを可能にするために、有志と「エンドオブライフ・ケア協会」を設立し、人材の育成を進めてきました。私自身は、緩和ケアに携わって23年。クリニックでは、昨年311人の方のご臨終に付き添いました。

(写真=村田 和聡 [Photo Space Passion] )

 「死」という、逃げられない壁を突きつけられたとしても、人は穏やかに過ごせる可能性があります。痛みがないこと、希望の場所で過ごせること、自分の生きて来た意味を見いだせること、穏やかになれる理由は人によって異なり、私たちはそれを探ります。

 しかし、どれほど心を込めて誠実に関わったとしても、全ての人が穏やかになれるとは限りません。40代でIT企業に勤めていた男性は、どうしても自らが末期がんだと認めようとはしませんでした。生きるための方策を探し続けながら、あくまでがんと闘い続けようとされ、トイレに1人で行けなくなったときには、絶望のあまり「早く死にたい」と訴えました。