「失敗」という意識を捨て「今は成功への途中だ」と考えてみてはどうでしょう

(写真=大槻 純一)
(写真=大槻 純一)

 トマトや野菜ジュースを出す飲料メーカーがなぜ少ないか、分かりますか? それは「考えてから買う」商品だからです。別の言い方をすれば衝動買いしにくいので、大量に宣伝してどかんと売る、ソフトドリンク的な手法ではなかなかうまくいかない。実直に棚に置き続け、少額でも広告を打ち続け、機能や健康価値を訴えていくしかない。時間がかかり、量も出にくい。

 その代わり、一度ファンが付いたら強い。たとえばトマトジュースは、日本人のうち、1年に1回でも飲んだことがある方は25%くらいですよ。ところが全人口の5%ぐらいの方が、ライフタイムカスタマーとして、一生、たくさん飲んでくださるんです。そういう商品を、畑からお客様にお届けするまで、自分で責任を持てる垂直統合で、改善を怠らず作り続けて、そこから野菜や果物へとじわじわと広げてきたのがカゴメです。

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