日本企業のグローバル化
欠かせぬリベラルアーツ世界との「対話力」を磨け

 いまや「グローバル化の成功」は多くの日本企業にとって死活問題ですが、グローバル化に成功している企業は少ないように感じます。それはなぜなのか?私は、口幅ったいことを承知で大手企業の若手経営幹部には機会あるごとに申し上げてきました。「グローバル市場でいい仕事をしたければ、まず『世界に通用する見識』を磨くことだ。いくら経営スキルに秀でていても、深い洞察力のある議論ができないと相手にされないよ」と。

(写真=清水 盟貴)

 例えば、海外企業を買収した企業からは、「思った以上に隠れ債務が大きかった」「ガバナンスが利かない」「買収先経営者の言いなりになってしまう」といった苦労話に事欠きません。買収して2~3年もすれば、巨額の損失を計上する羽目に陥る企業も後を絶ちません。なぜ、日本企業にとってグローバル化はかくも難しい仕事なのでしょうか。

 私の親しい外国人の友人の中には酔っぱらった時など時々本音を言う者がいます。「日本の経営幹部は仕事については優秀だ。それは認める。でも一緒に食事をしたいとは思わないね。話題が貧困だし、話していてちっとも楽しくない」