念頭に置いてきた「公智」軽重大小で優先順位
これからも「奴雁」の役割を

 2009年5月から2期8年慶応義塾の塾長を務めました。リーマンショック直後の就任で、いきなり厳しい財政状況に直面しました。当時金融資産は約530億円の評価損を抱え、年度ベースの収支もマイナスという危機的状況。ちょうど慶応の創立150年記念事業も進んでいました。

(写真=的野 弘路)

 この時何より優先すべきと考えたのは学校の持続可能性です。財政再建のため150年記念事業の一部を凍結し、各学部などからの予算要望も相当削りました。金融資産についてもリスクが小さくなるよう構成の組み替えを進めました。

 11年3月には東日本大震災が発生しました。矢継ぎ早に厳しい決断を迫られましたが、まずは目前の卒業式、入学式をどうするかでした。余震が続き、電力供給も不安定なことから卒業式は中止し、動画配信の形にしました。