一人で頭を抱えずに不具合を「楽しむ」
悪い経験は未経験に勝る

 ヘリコプターや小型飛行機の開発は、6~7年かかる長期プロジェクトです。設計図を描いて風洞試験や強度試験を繰り返し、様々な部品を組み立てていくのですが、私の経験では決まって最終段階で深刻なトラブルに見舞われます。一生懸命やって飛行直前までこぎ着けたのに、なぜこんな不具合が起きるのか。青い月明かりに照らされながら、何度も情けない思いに打ちのめされました。

(写真=陶山 勉)

 しかし嘆いていても意味がありません。初飛行の期限は決まっているので、やるしかない。そうした状況で開発チームのリーダーは何をすべきなのか。私は不具合を「楽しむ」ことだと思います。

 航空機開発では不具合がつきものです。誰も経験していない新しいことに挑戦するのだから、当たり前ですよね。それを解決することで、一歩ずつゴールに近づきます。