一度の読書ではもったいない 本は隠れた鉱山 再読で新たな発見がある

(写真=竹井 俊晴)

 私自身、研究者として生きてきて、幼稚園から学校以外の世界を知らないのですが、大学で教える者として学生に言い続けてきたことがあります。

 「本は2回以上、読まないと分からない」

 なぜか。最初読むときは、自分自身がその本に対して持っている先入観、またはその本の解説書などに書いてあることを確認するだけで終わってしまうことが多いからです。最初の読書は本当の意味でその本を読んでいるのではなく、実は自分の思い込みや、その本をめぐる人々の解説とかうわさなんかを読んでいる。ある意味、世間や社会の鏡、あるいは自分の鏡の読書にとどまっているわけです。その本の本質的な意味が浮かび上がってくる読書をするには、同じ本を2回以上読む必要がある。それが私の考えです。