幼少期の虫との触れ合い
それが科学への興味と命の大切さを知る契機に

 NHKラジオ第1放送の「夏休み子ども科学電話相談」などで、30年以上も質問を受けてきました。最近は質問をする子供たちがどんどん低年齢化しています。一昔前だったら小学校高学年が聞いてくるような質問を、低学年、場合によっては4、5歳の幼児が聞いてくる。栄養が良いから早熟になったのでしょう。5~6年生になると、虫なんぞ相手にできるかと。

(写真=的野 弘路)

 その分、子供との接し方は難しくなりました。「カマキリの目の色が夜になると、緑から黒になるのはどうして?」という質問があったとしましょう。詳しく答えるなら、「複眼を構成する2万~3万の個眼の表面は緑色だから、昼は目が緑に見える。夜になると、個眼と個眼の間にある薄い膜状の細胞の下から黒い色素が上がってきて、黒く見える」ということになります。

 小学校高学年なら理解できるかもしれませんが、未就学児は分からない言葉ばかりで嫌になってしまう。それでも、せっかく芽生えた科学への興味を失わせないように、嘘ではなくかみ砕いて説明しなければなりません。「人間とカマキリは違うけれど、人間でも黒い眼鏡をかけた方がよく見えることがあるでしょう」といった具合にね。