胸に刻んだ「富国有徳」外交はチームプレー 高い志で努力を重ねる

(写真=的野 弘路)

 外務省で40年間外交官人生を過ごしました。改めて思うのは、高い志を持ち続け、それを実現するために日々努力を重ねることがいかに大切かということです。

 この事を強く意識し出したのは、30歳で当時の中曽根康弘首相、安倍晋太郎外相の通訳を担当してからです。海外の要人との会談でも、食事の席でも、お2人の国を背負う責任と、ものすごい気迫を肌で感じたものです。

 その後、秘書官としてお仕えしていた小渕恵三外相が首相に就任したのに伴い、首相官邸入りしました。「人柄の小渕」と呼ばれていましたが、この国を何とかしたいとの思いは人一倍でした。その小渕首相がよく口にしていたのが「富国有徳」という言葉です。