「本音を言ったら生きていけなくなる」

 今号の特集のためにトヨタ自動車についてどう思うかという取材をある大企業の経営トップにお願いしたら拒否されました。その「本音」はトヨタにとって耳の痛い話だったはずで、何らかのカイゼンの種となったかもしれません。もったいない話です。トヨタがそんなに狭量かどうかはともかく、多くの企業の生殺与奪の権を握る「怖い会社」だと見る人が多いのは事実です。

 言うまでもなく、日本の貿易黒字を最も稼ぎ、取引先まで含めれば最大規模の雇用を抱える「国幹企業」です。しかし、最近の日本は国を挙げてトヨタに頼りすぎてはいないでしょうか。トランプ米大統領が保護主義的な発言を繰り出すたびに矢面に立たされ、毎年春になると景気テコ入れのために労働組合だけでなく政府からも賃上げを求められる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り269文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

日経ビジネス2017年10月16日号 3ページより目次

この記事はシリーズ「編集長の視点」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。