2月28日に開かれた東京マラソン。今年が10回目で年々大変な盛り上がりを見せています。私も知人の応援に行きましたが、見ているだけでも楽しいイベントです。高額賞金を狙う世界のトップランナーと、ゆっくり走りながら沿道からの差し入れを喜んで受け取る市民ランナーが同じコースを走るのが面白い。すそ野が広がっているなあと実感します。協賛企業も毎年増え、「カネを払ってリターンを得られる大会」に成長しているようです。

 前日には世界のラグビーの最高峰リーグと言われる「スーパーラグビー」に初めて参加した日本チーム「サンウルブズ」が南アフリカのチームを迎えて戦いました。秩父宮ラグビー場を満員にしたのは昨年秋のワールドカップでの日本代表の大活躍が背景にあることは今さら言うまでもありません。

 スポーツがビジネスとして成立するにはチームが強いとか、人気選手がいるとか、見に行くと楽しいといったコンテンツの魅力が欠かせません。この点は音楽ビジネスと変わりません。大物アーティストのコンサートは多くがスタジアムやアリーナなどスポーツの会場で開催されている点を見ても、両者には共通点が多いと言えます。

 本田圭佑さんが米国でサッカースクールを展開するのも、すそ野を広げればビジネスチャンスがあるとの読みでしょう。特集に出てくる「自分がやろうとしていることは、前例のない領域に入ってきている」という発言は、非常に刺激的です。リターンを得るにはリスクが必要なのは、スポーツもビジネスも同じです。

(飯田 展久)

日経ビジネス2016年3月7日号 3ページより目次

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