2016年1月11日号目次
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PART1 危機編
ゾンビ企業を助け新産業を見殺す国
かつて世界を制した日本の電機産業が凋落の一途をたどる。シャープや東芝が経営危機に陥り、一部の事業が「国有化」されようとしている。一方、有望なベンチャー企業には誰も手を差し伸べない。この国はどこへ行くのか。
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PART2 インタビュー
レガシーを全部壊そう
ファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長は、「日本が社会主義化している」と危機感を抱く。「次を背負う経営者が育っていない」とも嘆く。世界に挑み続ける男は、旧態依然としたサラリーマン的企業社会を壊せと説く。
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PART3 歴史編
勲章秩序が招いた日本の地盤沈下
規制緩和などで活力ある経済環境を実現すべき経済団体や業界団体。長引く不況の中で既得権益を守る護送船団へと変質し、持ち回り人事がはびこる。経団連人事と表裏一体の関係にあるのが、既存秩序の象徴「勲章」だ。
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PART4 データ編
上位にアジア企業 トヨタ、日立も圏外
最高益を稼ぐ企業が相次いでいるが、ニッポン株式会社の競争力は本当に回復したのか。リーマンショック以降、高い成長を遂げた企業を調べたところ、上位はアジア企業が独占した。日本の大企業は総じて振るわない。今こそ、新たな産業の担い手が必要だ。
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PART5 人材編
「サラリーマン」には託せない
日本電産の永守重信・会長兼社長が、後継者探しに苦心している。創業者が「サラリーマン」にバトンを渡した瞬間から、無責任体質は忍び寄る。モーター帝国を築いた男は、「ポスト永守」に何を求め、どう育てるのか。
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PART6 ケーススタディー
「サラリーマン」に非ず 株価を6倍にした男
創業137年の製薬会社が大胆な改革を経て変わった。迫っていた「死期」を克服。過去4年で株価を6倍に高めた。変革者は創業家出身でも再建請負人でもない。生え抜きながら無責任な「サラリーマン社長」と一線を画す。変化こそ適者生存の条件──その改革の軌跡を追った。
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PART7 インタビュー
日本のためにベンチャー育成
本業だった写真フィルムの需要喪失という危機を乗り越えた古森重隆氏。高機能材料など成長分野へ業態を転換し、15年間トップとして走り続けた。引退が迫る中、次なる挑戦として掲げたのは、畑違いのベンチャー育成だった。
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PART8 解決編
エロマネーが支える「愉快ナル理想工場」
アダルトビデオ通販やオンラインゲームの開発など次々と事業領域を広げる「異形の帝国」DMM.com。「謎の経営者」と言われる創業者の亀山敬司が、エロからのし上がったベンチャー魂を語る。
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PART9 インタビュー
経営者は「心の岩盤」崩せ
2015年、経済団体のトップに就き、不祥事に揺れる東芝の社外取締役も引き受けた。名門企業のガバナンス崩壊は即ち、日本の危機である。失った信頼を取り戻すには、経営者の真価が問われると説く。
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PART10 提言編
自分の城は自分で守れ
神奈川県横須賀市で中小企業の経営改善に汗を流す老経営者がいる