2016年12月26日・2017年1月2日号
-
PART1
継承の重さと難しさ
経営者は「経営のリレー」についてどう考え、実際にどう行動してきたのか。創業者に中興の祖、プロ経営者など、様々な立場から本音を語ってもらった。
-
PART2
交代は6年めどに「育て、託す」循環を
在職期間が6年以上になると社長(CEO)とその他の経営幹部層との「経験値ギャップ」が大きくなる傾向が出てくるため、スムーズな経営の世代交代が難しくなる。その結果、次の代、またその次の代で企業価値が毀損しやすくなる
-
DATA1
「退任後」も分析 47社の歴代社長145人
横軸はそれぞれの社長の自分の在職期間中の企業価値の変動、縦軸は次の次(2代後)の社長時代での企業価値の変動を示す。右上の象限(青の背景)に分布しているのが、自分の現役時代だけでなく、2代後においても企業価値が高まった経営者。産業動向や時代背景、企業ごとに経営環境は異なるため、これだけで個々の経営者を評価するのは難しい。ただ、それぞれの企業が経営のバトンをうまくつないできたかどうかの参考にはなる。
-
PART3
カリスマに依存せずつなぐ経営で改革
大胆な買収や組織再編を進めながらも、地道に企業価値を高めていく。それを実践してきた代表的な企業が、アサヒグループホールディングスとブリヂストンだ。両社は「カリスマ経営者」に頼ることなく、巧みにバトンを渡してきた。
-
DATA2
「経営リレーチャート」で見る各社の特徴
突出した経営者に依存せず、バトンを受け渡しながら長期的に企業価値を高めていく。それこそが、一つの持続成長のモデルとも言える。ただ現実的には企業ごとに経営のあり方、トップの役割は異なってくる。どのような経営体制が自社に適しているかは千差万別だ。
-
PART4
不透明だからこそ次の「群れ」を育成
フランスを代表する企業の16年ぶりのトップ交代。就任したのは43歳のドイツ人だった。大胆なトップ人事の裏には、客観的で緻密な経営人材の育成・選抜手法があった。人材枯渇に悩む日本企業。人事制度からガバナンスまで抜本的な見直しを避けて通れない。