2017年12月25日・2018年1月1日号
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PROLOGUE
「家族」はなぜ壊れたか
人間が「家族」を失いかけている中で、動物たちは今日も子を育て、集団生活を送り続けている。動物学の権威たちは、そのプリズムを通して、人間社会の病理を読み解き、「再生」への道を示す。
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1 大家族考
15人家族の物語
南の島のタクシー運転手夫妻は、月給20万円のカツカツの生活で13人の子供たちを育てた。 「子供は産めば何とかなる」。幸せそうに語るその言葉には、44年間の重みが詰まっている。
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2 家族と地域
祭り中心主義
徳島県の小さな漁村に、都心から若き企業人や芸術家が流入し、地元に溶け込み、家族を作っている。17社という「日本一」のサテライトオフィス地域で、人々を結束させる「祭り」という仕掛けとは。
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3 混住生活
進化する「現代の長屋」
他人と生活を共にする─。そんな居住空間がにわかに増加している。若者から高齢者まで引き込む「現代の長屋」とは。
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EPILOGUE
多様な「家族ユニット」へ
家族を壊したのは誰なのか─。その問いを追いかけると、企業と国家の姿が現れてくる。 「過保護」な施策の一方で、家族に重荷を課してきた日本は、その解体としなやかな再生が求められる。