2016年11月21日号
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PROLOGUE
「想定外」を生んだ米国の必然
事前の予想を覆し、第45代大統領の座をドナルド・トランプ氏が勝ち取った。だが、8年前とは異なり、憎悪に彩られた選挙戦は米国社会の拭いがたい分裂を白日の下にさらした。米国社会が内包する不満と矛盾を可視化したトランプ氏。今度は自らの手で紡ぎ直さなければならない。
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PART1
新大統領を襲う“経済”の復讐
ホワイトハウスを手中に収めたトランプ氏はオバマ大統領のレガシーを廃絶するだろうだが、景気拡大が終盤にさしかかる中、彼に吹いているのはフォローの風だけではない国民を満足させるには成長が不可欠だ。保護主義を貫けば自身に火の粉が降りかかる。
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DATA
オバマ政権の8年でどうなった?
オバマ政権の8年間は米国と世界にどういう変化をもたらしたのだろうか。各種データとともに振り返ってみよう。
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PART2
「敵意」と「憧れ」、どう向き合うか
トランプ次期大統領は国内だけでなく、国外でも壁となりそうな難題を抱えることになる。特に米国の覇権に挑戦し始めた中国との関係は世界を揺るがしかねない。両国の行く末は、間に位置する日本の未来をも左右する。
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PART3
“トランプ”でも米市場は魅力的
日本を筆頭に先進国で高齢化が進むが、米国は比較的健全な人口構成を保っている。ビジネス環境も良好で、企業向け、消費者向けともにビジネスの伸びしろが大きい。トランプ大統領の誕生で不確実性は高まっているが、市場としての魅力は不変だ。
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EPILOGUE
教育と参画、それが描く未来
地価で教育予算が左右される米国では公教育の地域格差が激しい。その状況を打破すべく、関係者が立ち上がった小学校がハーレムにある。迫り来る民主主義の危機──。それを防ぐのは一人ひとりが関与することだ。