2015年10月26日号目次
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Prologue
激動期の新たな主役
日本では知名度も低く、自動車業界でも老舗タイヤメーカーのイメージが強い独コンチネンタル。その会社が、自動運転システムにおいて自動車メーカー並みの技術力を備え始めた。自動車関連事業の売上高でデンソーを抜き部品世界2位に浮上。新たな主役になろうとしている。
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Part 1 強さの秘密
クルマの「目」を制し 次は「頭脳」を狙う
コンチネンタルの成長の原動力は「クルマの目」であるセンサー類。市場に先行投入することで標準仕様となり、今やトヨタなど自動車各社も頼っている。真の狙いは、全カーメーカーを囲い込む自動運転時代の情報インフラを作ることだ。
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自動運転に欠かせないのが地図だ。3次元で高精度、かつ最新の地図がなければクルマを安全に走らせることが難しいためだ。そのため、地図の情報や技術を持つ企業の争奪戦が始まっている。
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Part 2 攻めのM&A
15年で買収100社 タイヤからソフトへ
老舗のタイヤメーカーから電子制御のシステムを提供する企業への変身。それを可能にしたのが、コンチネンタルの超攻撃的なM&A戦略だ。自動車産業では異質と言える経営が、同社の急成長の土台となっている。
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「インダストリー4.0」という旗印の下、製造業の変革を進めようとするドイツ。コンチネンタルもその先進企業の一社だ。同社は目下、協調型ロボットの活用とビッグデータ解析に取り組んでいる。
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Interview
M&Aは我々の文化 自動運転に必須な存在に
ハードウエアから、サービスを売るビジネスへ──。自動運転時代を見据え、140年続けてきたビジネスモデルを捨てる可能性を示唆した。産業ピラミッドが揺れる中で、コンチネンタルが目指す先とは。
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Part 3 日本の急所
製品だけでは生き残れない
自動運転には取り組みつつ、安全性を重視して一歩一歩開発を進めていくトヨタなどの自動車メーカー。それに対し、コンチネンタルやグーグルなどは、全く違うスピード感で支配力を高めようとしている。品質や信頼性などモノ作りにおける強みを生かすためにも、情報インフラを握れるかどうかが問われる。