2016年10月24日号
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Prologue
目指すは世界、削るは残業
JR京都駅から国道171号線を南西にクルマで走ること約20分。京都市で最も高い地上20階建てビルが突如、現れる。鎧兜の飾りをあしらったようなそれこそが、日本電産の本社だ。
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Review
10兆円企業へ猛進
日本電産の創業は1973年7月23日。京都市内にある永守社長の自宅が本社だった。他のメンバーは現在CSO(最高営業責任者)の小部博志・副会長執行役員ら3人(ほか2人は既に退職)。いずれも永守社長の母校、職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)の後輩で、永守社長が28歳、一番若い小部副会長は24歳という若者ばかりのスタートだった。
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Part1
第2の創業始まる 永守イズム世界へ
この数年で次々に買収した海外企業。その経営者や現場が変わり始めている。買収先の技術をつなぎ合わせてシナジーを生み、車載などの新事業を創出する。日本電産の成長を支えてきた「永守イズム」が世界に広がり始めた。
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Part2
高収益生む「自律」 海外企業が主役に
これまで買収した数々の海外企業が、日本電産の成長の原動力になり始めた。自ら事業を再編し、次のM&Aを主導する。そこに、「買われた」という受け身の姿勢はない。世界中のグループ会社を「横串」で貫く独自のマトリックス経営で、全体の競争力を底上げしている。
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Part3
技術の「掛け算」が顧客と人材を呼ぶ
一見、関係の分かりにくいM&Aの根幹には、永守社長の頭の中で描かれた「技術ロードマップ」があった。足りない技術は先回りして買い、自社技術と組み合わせて新市場・新製品・新顧客に展開する。永守社長が掲げる「2020年度に売上高2兆円」の目標。達成に向けた道筋は既に見えている。
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Epilogue
20XX年、必ず訪れる試練
12年前、2004年5月に本誌は日本電産の特集を掲載した。タイトルは「日本電産 永守重信の人間改造力」。その1年前には、人物ものコラムで永守を描いた。こちらは「無理を道理に変える“夢想家”」である。
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Interview
成長に「速すぎる」はない
真のグローバル企業に向け新たな成長段階に入った日本電産。永守社長は自らの経営理念をどう伝え、いつ次世代にバトンを渡そうと考えているのか。グローバル化から働き方改革、後継者、そして自身の健康リスクまで、本音を語りつくした。