2017年9月18日号
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PART 1
忖度抜きで意見出せ 改革に焦る銀行
「プラットフォームに乗ってほしい? うーん。最近はプラットフォームがたくさんありすぎますよね」。返ってきたのはそんな反応ばかり。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)でフィンテック関連の新事業開発を担当するイノベーション・ラボの上原高志所長は、「三菱UFJ」のブランド名が通用しないことを痛感した。
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PART 2
フィンテック取り込み ベンチャーと協業加速
続々と現れるフィンテック企業は、決済や金融仲介など銀行の領域を侵食し始めた。ITの進化がもたらした銀行の「独占」崩壊。活路を求めベンチャーと手を組む動きも出てきた。
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PART 3
使命はどこへいった 問われる存在意義
産業の育成や、企業の再建・再編を通じて日本経済を成長に導く。それが、日本の銀行が脈々と果たしてきた重要な役割の一つだった。幅広い産業を熟知したメーンバンクとして、世界経済の中で競争力を確立する大きな構想力を持っていた。
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COLUMN
不良債権、大再編経て 訪れた「静かな危機」
国内銀行界の現状を理解するためには、その起源から足元までの歴史をひもとく必要がある。不良債権との長い戦いは終わったが、ビジネスモデルの構造変化という静かな危機が訪れている。
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PART 4
存在感は変われど 再び企業を育てる
かつて「財界の鞍馬天狗」と呼ばれ、1950年代から高度成長期にかけ、その人脈と抜群の構想力で数々の企業再編を実現した伝説のバンカーがいた。中山素平氏(日本興業銀行元頭取)だ。なお苦境に陥る大手企業は多いが、銀行はどんな役割を果たしているのか。