2015年8月31日号目次
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PART1
現場から悲鳴が噴出 告発が暴いた「病巣」
経営陣による「チャレンジ」「工夫」の要求はどんどんエスカレートしていった。それを受け止める現場はいかに苦悶し、不正に手を染めていったのか。生の声をお届けする。
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「ぜひ会って話したい」8月上旬、本誌取材班に1通のメールが届いた。東芝で調達を担当する課長が、社内で横行するパワハラの実態を告発したいという。指定された場所に出向くと、人目をはばかるようにICレコーダーを手渡された。そこには、東芝の「病巣」が10時間以上も記録されていた。
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東芝本社ではびこるチャレンジは、下請け会社や関連会社にも広がる。売り上げの半分以上を東芝に依存する西日本の電子部品メーカー。今では会長、社長を含めた幹部十数人を「天下り」組が占める。生え抜きの幹部らは事実上の降格と無茶なチャレンジを強要され、不満がくすぶる。「まるで植民地」。東芝支配に嫌気が差して退職した元幹部は憤る。
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PART2
不正の動機は何か 6600億円買収の誤算
現役社員の告発で次々と明らかになる東芝社内の異常な実態。なぜ、東芝は暴走したのか。原点をたどると2006年の米原発メーカー買収にたどり着く。
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PART3
いかにして東芝は 不正会計に“成功”したか
ガバナンス先進企業を演じてきた東芝。それは「当期利益至上主義」を覆い隠す仮面だったのか。東芝に限らず、不正会計に手を染めた企業の手口には3つの共通項が浮かび上がる。
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PART4
監査法人の限界が露呈 東芝が壊した市場の信頼
東芝の不正会計の裏で新日本監査法人の責任を問う声が高まっている。「東芝の主張を受け入れ過ぎでは」と指摘されるが、不正の発見は難しいのが実態だ。
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PART5
守るべきは会社か正義か
私腹を肥やす横領は許せないが、「会社のため」にやった不正は悪質性が低い。この感覚が東芝を狂わせた。問われているのは日本の正義である。
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アフリカ投資 多様化の時代
2年前、日本はアフリカに“熱狂”していた。 横浜市で第5回アフリカ開発会議(TICADV)が開催された2013年6月、アフリカ各国の元首と安倍晋三首相との会談が連日のように実施された。折しも、アフリカの多くの国の経済は資源価格の高騰によって急成長を遂げていたタイミング。日本からも、プラントや資源関係の大型投資が相次いでいた。
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Interview 01
アフリカ経済は 長期的に捉えよ
成長の踊り場を迎え、歴史的転換期に入ったアフリカ。だが、長期的視点で見れば、今後も投資に値する地域と言える。日本には、高い技術力を生かした社会課題の解決に期待する。
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Interview 02
転換へ試練の10年 都市化を成長の源に
成長を謳歌した時代は終わったが、過度に悲観すべきではない。都市人口が急増する中、インフラ開発が成長の原動力となる。エチオピアやナイジェリアなどでは、そうした動きが始まっている。
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アフリカ企業トップ250
競合、パートナーとして 現地企業を知る
アフリカ市場を攻略するには、現地企業の動向を知ることが欠かせない。進出後の競合でもあり、事業を拡大するためのパートナーの候補にもなる。本誌と提携するアフリカ専門経済誌より、ランキングを転載する。
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アフリカで最も称賛されるブランドトップ50
トヨタ、ソニーなど日本勢が健闘
アフリカ市場で消費者はどのようなブランドを支持しているかを示したのがこのランキングだ。1位の米「コカ・コーラ」のように、グローバルブランドがアフリカでも強い。