2017年8月28日号
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ワンコイン定食が消える日
東京・天王洲アイル。多くの高層ビルが集中する都心でも有数のオフィスビル街には、ビジネスパーソンの胃袋を満たす飲食店がずらりと軒を連ねる。正午を過ぎると多くの人でにぎわいを見せるが、その中でひときわ行列の長い店がある。海鮮居酒屋チェーンの「さくら水産」だ。
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5分で分かる
ニッポンの漁業
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PART1 40年間の不作為がもたらした危機
「日本は漁業後進国」
温暖化の被害者と訴える漁業者、国際情勢が悪いと主張する漁協、海外勢の乱獲だと非難する水産庁。責任を他者に転嫁している間に、座視してきた2つの時代変化で日本は漁業後進国となった。1977年の200カイリ時代後に始まった漁獲競争、そして近年の資源危機時代における国際協調だ。
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PART2 金持ち漁師国ノルウェー、成功の秘訣
官民一体で輸出3倍に
サーモンやサバを世界中に輸出し、経済的に成功を収めたノルウェーの漁業。最新技術への集中投資や、乱獲を防ぐ国レベルの仕組み作りが実を結んでいる。長期的な戦略を欠く日本漁業にとって、学ぶべき点は多い。
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PART3 日本漁業復活のカギ
社会主義と自由競争
ノルウェーの取り組みは、日本漁業復活のヒントになる。ただし、漁業経営体の規模と数、行政の統率力など環境が大きく異なり、単純にはまねできない。日本流の成長には「独裁者がけん引し、社会主義で獲り、自由競争で流通させる」ことが必要だ。