2015年8月3日号目次
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PART1
「契約不履行」が始まった
「会社に尽くす社員の雇用は守る」。暗黙の契約を企業が反故にし始めた。経営不振の企業だけではない。競争激化を背景に好業績企業も不履行に走る。最初に標的となるのは、50代に突入した「バブル入社組」だ。
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PART2
6分の1がバブル組 重圧が促す裏切り
社員の6人に1人を占めるバブル入社組が、ポスト不足から士気を急低下させている──。そんな事態に苦悩し、静かに対策を始めた大企業の実態が、本誌の調査で明らかになった。「裏切られた」と当事者のバブル入社組は漏らす。だが、真の裏切りが始まるのはこれからだ。
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INTERVIEW
「人本主義」は死んだのか
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と日本が称賛された1980年代後半、伊丹敬之は「会社は株主のもの」という米欧型「資」本主義に対して、「会社は従業員のもの」という日本型の「人」本主義を提唱した。それは長く日本の経営者のよりどころになった。だが今、会社と社員の契約は破棄されようとしている。人本主義は死ぬのか。会計問題に揺れる東芝の監査委員会委員長に就任した、伊丹に聞いた。
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PART3
オレたち社畜脱出組
人数の多さゆえ、大企業から厄介者扱いされ始めたバブル入社組。だが、多くはその仕打ちに甘んじ、勤務先に懸命にしがみつこうとする。そんな彼らも果敢に外に踏み出せば、想像とは異なる景色が見えてくる。
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専門家らの話を基に作成したチェックリスト
「売れるバブル」と「余るバブル」の境界線
「小さな街のお菓子屋さんからスタートしてここまでやってきたので、様々な専門家が不足しています。うちも変わらないといけません」 7月上旬の土曜日、フランス人のリシャール・ルデュ(42歳)は、「バブル入社組」と思しき20人ほどの男女を前に熱弁を振るっていた。
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PART4
バブル入社組から始まる超サラ
企業の契約破棄で「滅私奉公」の社畜が絶滅した後に訪れる世界。サラリーマンを超える「超サラ」を実現した社員が会社と対等の関係を結ぶ。新しい契約の形は既に、芽生えつつある。