2016年6月27日号
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PART1
繰り返す先送り 借金は孫にお任せ
大衆受けする消費増税の延期は、低年金や無年金に苦しむ人たちから希望を奪う。だが社会保障の劣化はこれからが本番。年金受給額のさらなる下落に見舞われる。高齢者の2割を貧困老人が占め、借金は孫より先の世代に先送りされる。
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PART2
「命の値段」から目を背けるな
年間3500万円──。超高額薬の登場が、日本の医療行政を揺るがしている。財源が乏しい中で進む技術革新。世界は20年前から動き始めていたのに、日本はこれまで無策だった。人の命の値段は、一体いくらなのか。責任を持って、重い問いに向かうべき時が来ている。
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COLUMN
制度の綻び、次々と表面化
年金、医療にとどまらず、日本の社会保障制度の範囲は広い。障害者や子育てへの支援、生活困窮者に対する生活保護、そして予防接種などの公衆衛生事業も含む。戦後こうした制度を充実させてきたが、人口動態が変わり、制度を支える国や自治体の財政も悪化した。時代の変化に制度が追い付いておらず、制度の綻びが目立つ。
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PART3
病院が消えても死亡率は変わらず
総額40兆円超。社会保障における最大の聖域とされるのが、医療だ。自治体ごとに入院医療費に差があるなど、医療費の抑制余地はまだまだ大きい。当たり前のことを当たり前にやる。社会保障改革のスタートはそこからだ。