2016年6月6日号
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PART1
自滅した「砂上の楼閣」
三菱自動車の燃費不正問題は、日産自動車によるスピード救済という奇手で一定の決着を見た。両社が経営危機に陥ってからの足取りが、出資する側とされる側という立場の違いを生んだ。
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メーカー相関図
国境を越え飛び交う技術と資本
相関図からは、仏ルノー・日産自動車の連合が突出して国際色豊かであることが分かる。2010年に両社は独ダイムラーと提携。日産「スカイライン」にダイムラーのブランドであるメルセデス・ベンツのエンジンを搭載して話題を呼んだ。エンジンは自動車メーカーにとって「心臓」とも言える。コスト削減のために聖域を設けない大胆な提携戦略を進めている。2014年にはロシアのアフトワズの経営権も取得。ここに三菱自動車が加われば、国境を越えた改革がさらに進展すると考えられる。
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PART2
電動化とITで新たな再編へ
日産自動車が三菱自動車を傘下に入れるのは、ブランドや技術を手に入れることだけが目的ではない。規模を拡大し「1000万台クラブ」の仲間入りを果たすことが、パラダイムシフトを生き抜くには欠かせないためだ。