2017年5月29日号
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PART1
アマゾンの被害者なのか
ネット通販の利用拡大で、ヤマト運輸の宅配現場が苦境に追い込まれた。ヤマトは、本当に宅配パニックを防ぐことができなかったのだろうか。詳しく検証すると、「人手不足」だけではない経営上の問題が浮かび上がる。
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PART2
宅配危機を招いた経営の責任
現場の混乱が臨界点に達するまでには、様々なシグナルが発せられていた。アマゾンとの取引や多角化戦略など、宅配危機の背景には3つの誤算がある。外部環境の変化だけに原因を求めると、宅配危機は再発する恐れがある。
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PART3
ビジョン実現へ課題山積み
ヤマト運輸が、働き方改革を含む宅配便事業の構造改革に着手した。最大の課題は、当日配達を含むネット通販の拡大に、今後、どう向き合うかだ。描いたビジョンをすべて実現するには、乗り越えなければならないハードルは多い。
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INTERVIEW
ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏・ヤマト運輸社長 長尾 裕氏
宅急便は誕生以来、荷物を出す側、受け取る側の利便性を高めて、信頼を高めてきた。今回、ネット通販の急拡大でラストワンマイルのネットワークにズレが生じ、対応が後手に回ってしまった。一連の出来事は、サービスへの信頼を失いかねない事態だと危機感を持っている。
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PART4
脱「小倉イズム」で変化の先を行け
「手を打つのが遅すぎる」──。故・小倉昌男氏と共に宅急便を育ててきたヤマト運輸元会長の都築氏は、サービス後退を招いた事態に警鐘を鳴らす。物流サービスの市場を作り出してきた優良企業は新たな成長路線を描けるのか