2016年5月16日号
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PROLOGUE
大手の逆行く繁盛店の底力
大手外食が苦しむ中、街を歩けば、客足の絶えない店も目につく。数店から多くても数十店の規模で繁盛店を運営する経営者は、強烈な創業者精神によって、大手の常識を覆す。なぜチェーン離れが進むのかも透けて見えてくる。
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PART1
氷河期におののく「恐竜」チェーン
かつての急成長を支えた外食チェーンの強みが、皮肉にもことごとく弱点に転じている。情報サイトの普及による消費行動の変化から、世界的な食糧争奪戦まで環境変化は様々だ。各社は危機感を強めるが、「外食氷河期」の中、巨体を抱えて身動きが取れない恐竜のようでもある。
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COLUMN1
大手の新業態、成功しないワケ
外食大手の新業態開発は死屍累々の歴史だ。大企業病によって店の個性や創造性が阻まれて、創業者のアイデアに満ちた「個店」に負ける。消費者よりも組織の論理を優先する業界の行き詰まりを象徴している。
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COLUMN2
市場は縮小傾向、食の安全問題も相次ぐ
市場は縮小傾向、食の安全問題も相次ぐバブル崩壊まで市場は急拡大。1997年にピークを迎え、以降、市場は減少傾向にある。最近は食の安全や労務に関する不祥事が相次いでいる。
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PART2
チェーン3大疾病 処方箋はこれだ
成功の方程式が通じなくなった外食チェーンをどう作り直すか──。パート1で指摘した外食チェーンの「3大疾病」への処方箋を、パート2で示していく。逆風の中で善戦する外食企業は、業界の常識を捨て、徹底して顧客の視点に立つ。
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EPILOGUE
「創業精神」失った店に未来はない
「日本にもともとあった飲食業が米国のチェーンビジネスと融合して産業になっていった」モスフードサービス会長兼社長で、日本フードサービス協会の会長を務める櫻田厚氏は、1970年代前半、日本の外食産業の勃興期を振り返る。