2016年5月2日号
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PART1
世界が日本に追いついた
中国の景気減速の象徴である鉄余りは根深く、当分解消されそうにない。欧州や韓国では、バブル崩壊後の日本を彷彿させる光景が広がり始めている。現実味を帯びる世界経済の長期停滞。企業は世界デフレを生き抜かねばならない。
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PART2
「失われた20年」が我が社を強くした
需要不足の波は地球全体に広がり、世界中の企業がもう無関係ではいられない。世界に先駆け「失われた20年」を経験した日本。過酷な生存競争は無数の敗者も生んだ。だからこそ、これを生き延びてきた企業の知恵は、世界デフレの時代に輝きを放つ。
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デフレ克服企業 FILE 01
TDK
長野県佐久市にあるTDKの浅間テクノ工場で生産している自動車向け磁気センサーは現在主流のものよりも高い精度でモーターを制御できるのが特徴だ。クルマの省エネ化にも役立つため、需要の急増が見込まれている。同工場はTDKの次の成長に向けた中核拠点の一つと言っていいだろう。
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デフレ克服企業 FILE 02
三菱ケミカルホールディングス
「企業には新陳代謝が絶対に必要で、その手段がM&A(合併・買収)です。外部から可能性を秘めたものを取り込み、グループ内で育てるのです」
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デフレ克服企業 FILE 03
西松屋チェーン
「ストレッチパンツ、在庫ありませんか?」。昨年9月、全国の西松屋チェーン店頭に、1本879円(税込み)の子供用ズボンを買い求める親子連れの姿が相次いだ。伸縮性があるため子供でも脱ぎはきがしやすく、激しく動いてもずり下がりにくいと評判になり、用意した20万本は販売開始からわずか1カ月で完売。
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デフレ克服企業 FILE 04
コニカミノルタ
「既存市場に強引に参入してシェアを競う気はありません。安売り競争を避け、高いシェアを取れる可能性のある分野に経営資源を集中して切り開く『ジャンルトップ戦略』が要です」
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PART3
砂漠に起業家が集まる理由
成長の限界に直面している世界経済。その壁を乗り越えるために、様々な需要創出策が議論されているが、本質的な成長ドライバーはイノベーションしかない。前ページまでで見てきたデフレ克服企業のように、イノベーションによって付加価値を生み出し、消費者に驚きを与えるような製品やサービスを提供していくことこそが王道だ。