2016年4月11日号
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PROLOGUE
ABインベブ、世界飲み干す
ビール世界最大手ABインベブが2位のSABミラーを統合し、世界で3割のシェアを押さえる。四半世紀でブラジルの地場メーカーから巨大グローバル企業に急成長。知られざる経営の実態に迫る。
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PART1
夢が暴走、多大なツケと格闘
日本勢でいち早くグローバル展開に突き進んだキリンホールディングスがもがき苦しんでいる。海外戦略はなぜ失敗したのか。磯崎功典社長が、反省の弁と再生への覚悟を語った。
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3分で分かる 国内ビール業界 丸分かりデータ
3分で分かる 国内ビール業界 丸分かりデータビール大手5社(オリオンビール含む)のビール類の課税済み出荷量は2015年まで11年連続でマイナスとなり、業界予測では2016年も前年割れの公算が大きい。市場全体はピーク時の1994年の4分の3となった。
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PART2
ビーム統合、性悪説で再構築
1兆6500億円で世界最大のバーボンブランド「ジムビーム」を買収したが、当初から誤算に直面した。ビームへのガバナンスの不徹底と日本産ウイスキーの供給不足から戦略を再構築。キャッシュ創出力向上へ試行錯誤が続く。
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PART3
「プレミアム」で、生き残る
欧州で大型買収を決め、大勝負に出たアサヒ。サッポロは自前のベトナム工場で品質を追求する。戦い方は違えど、共通点はある。「Asahi」「SAPPORO」というブランドの価値を信じて戦いを挑む。
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EPILOGUE
環境激変、市場の信頼が全て
「SABミラーの買収は、アフリカなど新興市場を狙ったもの。米国のシェアは変わらない」──。昨年末、ABインベブのブリトCEOは米議会の公聴会で弁明に追われた。統合前にSABミラーが一部ブランドを手放すから米国でシェアは上がらないとの説明だが、関係者が懸念するのはそれだけではない。