2016年2月29日号
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PROLOGUE
「技術一流、グローバル二流」
東京都と神奈川県の境を流れる多摩川のほとり。味の素川崎事業所内にある研究所の奥深くに、幹部社員が「微生物の殿堂」と呼ぶ施設がある。1956年の研究所開設以来、同社が蓄積してきた1万3000株にも及ぶ、多種多様なアミノ酸を生み出す菌の保管庫だ。民間企業では最大級のコレクションである。
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PART1
「非連続の成長」へ速攻
新興国を切り開いてきた伝統の勝ちパターン依存から脱却し、非連続の成長へ。「うま味」の神通力が利かない欧米などにも、成長の足場を広げるためにアクセルを踏む。
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PART2
組織の壁、科学で壊せ
組織の壁を突き崩し、「スペシャリティー」と「スペシャリスト」の育成を急ぐ。再生医療の切り札から冷凍チャーハンまで、科学を生かしたヒット商品が出始めた。
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PART3
加速力が全然足りない
「グローバルトップ10入り」を目指し、2020年に向けて成長を急ぐ。経営のかじ取りを任されてから半年余り。西井孝明社長の覚悟とは。
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EPILOGUE
世界への最終関門は「理念」
戦前から世界に販路を広げてきた味の素が、従来の経営では真のグローバル化は不可能だという反省に立ち、何をやってきたか。その構造改革の全貌を、これまで見てきた。