2017年2月6日号
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Part1
ニッケル供給懸念 火薬庫はフィリピン
世界のあちこちで、「元素リスク」が顕在化し始めた。枯渇の恐れはほぼないのになぜ、価格が高騰するのか。引き金は政治だ。ニッケル、リチウム、銅、リン…。元素はあらゆる産業を直撃する。
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「水素」から「ニホニウム」まで徹底解説
周期表で見る元素の今
原子番号1番の「水素」は、宇宙空間で最も多く存在する元素だ(質量ベースで約70%)。多くの元素と親和性が高く、還元剤や触媒として使われてきた。最近では化石燃料に代わるエネルギーとして注目を集める。
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Part2
調達不安に勝つ 3つの「ショック療法」
資源の乏しい日本は、これまで繰り返し調達リスクに直面してきた。その危機をバネに新技術を確立し、世界中から頼られる日本企業がある。共通するのは、平時も含め長期的な視点で研究開発を継続している点だ。
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探査船「ちきゅう」30日間の航海記
沖縄に眠る宝の山 深海底を発掘せよ
海底下に眠る“宝の山”を掘り当てろ──。壮大な国家プロジェクトが動き出した。昨年末、30日間の航海に出た探査船「ちきゅう」は、海の底で何を見たのか
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Part3
買えないなら作れ 現代の「錬金術」
元素を調達できないと嘆いているだけでは、日本は資源弱国から脱却できない。カギを握るのは、ありふれた元素から夢の新素材を作り出す技術だ。そんな「錬金術」が日本の裏山を金脈に変えようとしている。
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Part4
守りから攻めの元素戦略へ
採掘現場での環境汚染に、米アップルが危機感を募らせている。強権的な政治家は、環境問題を理由に自国内に元素を囲い込もうとしている。日本は今こそ世界で、元素に関する環境技術を生かす時だ。
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日経ビジネスDIGITAL会員向け 特別記事
沖縄深海底に「宝の山」はあったのか
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日経ビジネスDIGITAL会員向け 特別記事
「鉱山開発に反対する目的は『カネ』だ」
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日経ビジネスDIGITAL会員向け 特別記事
アップルはレアメタルの環境汚染を注視している
資源制約はほとんどないーー。東京大学の岡部徹教授は、「レアメタルの価格が乱高下するのは、環境問題に起因するところが大きい」と指摘する。レアアースの中には採掘時に放射性物質を放出する元素があり、今はその環境対策コストは負担されていない。