自動運転の基盤となる高精度の「3次元地図」の整備が急ピッチで進む。ステレオカメラとLiDAR、GPSなどを組み合わせ、誤差は10cm以内にまで縮まった。今号から始まる新連載では、テクノロジーが社会にもたらす「トレンド」を掘り下げていく。

 黒い背景に赤、青、黄色の線。進行方向に目を向けると、複数の線が立体交差している様子が分かる。

 下の画像は、自動運転車が“見る”ための「高精度3次元地図」だ。作製するのは、産業革新機構と自動車メーカー10社などが出資する「ダイナミックマップ基盤(DMP)」。約3万kmに及ぶ国内高速道・自動車専用道全線の3次元地図を、2018年度中に整備する。

機械が頼る電子の道標
●自動運転車用の3次元地図
3次元地図のPOINT
  • 機械が“見る”正確な地図が必要
  • 地図と自動車の会社が共同で整備
  • 2018年度中に高速道路の3次元地図が完成
  • 次世代通信5Gのインフラにも活用

 人間は視覚と想像力を働かせて、自分の立っている位置や方向を判断できる。そのため「2次元」の地図があれば事足りる。地図会社はもともと、国土地理院の測量データと衛星写真などを組み合わせて2次元地図を作っていた。

 しかし、自動運転車などの機械には「精度」が全く足りず不十分だ。クルマが自車位置を正確に把握し、事故を起こさぬように車体を制御するのは、「高精度な3次元地図なしには困難だ」と、ゼンリンの竹川道郎ADAS事業推進室室長は説明する。